国土の約70%を占める山岳地帯と豊かな森林を有する日本には、昔から美しくそして命豊かな沢を遡行して山頂を目指す独自の登山スタイルがあります。

それが源流に湧き出る最初の一滴が創りだす道筋を遡行しながら、森と山を巡り旅する【沢登り】です。

水に恵まれた日本には、女性的に優しく美しい沢から、その険しさにより容易に人を近づけさせない登攀要素たっぷりの沢まで、遡行スタイルと登攀レベルで選べる数多くの遡行ルートが全国各地に存在します。
その名の通り、沢の地形を巡るスタイルゆえに、行動の範囲が広く、自由度も高く、そして山岳全体を余すところなく遊べるということから、通常の登山とは一味違う山の楽しみ方ができるのが【沢登りの魅力】と言えます。

大自然を満喫、自由度も高い沢登りとは!?

        
   
  沢登りは、森とその森を育んできた水や空気と一緒に過ごすことで、大きな自然の循環が感じられる遊びなのです。

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新緑から秋にかけて葉の色を多彩に変化させていく山の木々や、風の動きに合わせてゆったりと動く雲、そして足元を流れる透明な水と綺麗に磨かれた岩肌など、それらを観察しながらのんびり歩くだけで、時間を忘れてしまうでしょう。

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のんびり河原を歩き、大小の滝をいくつも超えて行くと、沢は右に左にくねくね曲りながらだんだんと沢幅を狭くしていきます。そのうち両側が垂直な岩壁となって逃げ道がなくなり、水線にも道を見出すことができません。
まるで上から谷を縦に切ったような風景となり【ゴルジュ】の登場です。